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中津川市へようこそ!山が近くて川がきれいで水も空気もおいしい

2024年6月末(外国人含)

人口と世帯
人   口 73,995人
男  性
女  性
36,375人
37,620人
世  帯 31,973世帯
中津川市に住もう

田舎に移住して20年。色々考えてみました。

中津川に住もうスタッフ 2024年8月16日 金曜日

移住サポーターの田中浩子です。

中津川市加子母に夫婦で20年ほど前に移住し、「たなか野菜畑」という屋号で露地野菜や野菜苗を栽培している農家です。

 

加子母に移住してからちょうど20年が経ちました。
移住してから生まれた二人の娘も中学校を卒業し、県外に進学したため子育ても新たな段階に入りました。
せっかくなので20年を振り返りつつ、自分なりに移住ということについて書いてみます。
これから移住する方には時代遅れなのかもしれませんが、参考にしていただければ幸いです。

 

私が住んでいる加子母地区は人口約2400人、山林が97%という山村です。保育園、小学校、中学校も1つずつしかありません。
そんなザ・田舎に住んでみて考えてみたことです。

 

⚪︎住んでみたいと思った環境はだれのおかげ?
まず、一番大事だと思うこと。
綺麗な風景や素晴らしい自然環境、祭りや文化などの田舎らしさ等、移住しようと思うほどに気に入った環境は誰のおかげであるのかと考えてみてください。電気や上下水道が引かれていて快適な暮らしができるのはなぜか考えてみてください。
何もせずに用水が綺麗だったり、祭りが続いたりはしないんです。代々の地元の人たちが手をかけ、様々な負担をして環境を整え、続けてきたからこそだということです。リスペクトと感謝は大事です。
気に入って住むからには、自分たちも環境を維持するために手をかけて努力していく側に加わるといいですよ。家を手に入れて風景だけを楽しむというのでは、本当の田舎暮らしは体感できません。

⚪︎誘われた時には受けるべし
移住相談を受けたりすると、移住しようとする方は地元の人とうまくやっていけるか、受け入れてもらえるかということを気にする人がいます。
実は地元の人もそう思っているようです。移住してくる人がどんな人なのか、どういう経緯で来るのかなど気にしています。そして、満を持して何かのお誘いに来てくれます。つまり、お誘いが来た時には既に下調べが終わっているという衝撃の事実!
役を頼まれたり、何かの行事に誘われたとしたら。それは地元の人が勇気を持って受け入れようとしてくれているということです。特に最初のお誘いは、今後の付き合いを大きく変える大事なものです。ぜひお誘いを受けることをお勧めします。

 

⚪︎物ごとはじっくり時間をかけて決まる
村での話し合いはじれったいほどに決まりません。じっくりと時間をかけて意見が醸成されていくようです。
誰かがパッとリーダーシップをとって物事を進めるというのではなく、何年もリーダーを変えつつも話し合いは続いていきます。気が熟すと突然決定が行われる。効率が悪く感じるかもしれませんが、そのほうが結果的には近道という知恵なんだと感じます。
スピードや論理的で合理的なことが良いとされる現代かもしれませんが、田舎には価値観の違う知恵が今も残っています。

 

⚪︎自分では変えられない大事なもの
引っ越しをするときに考える条件はなんでしょうか。子育てを考える人だったら保育園に入りやすいか、教育環境が整っているか、交通の便が良いか、仕事があるかどうか。といった感じでしょうか。

加子母に移住してくる人には決め手の一つは水だという人が結構います。私も同意です。最上流に位置する加子母には綺麗な川があり、潤沢な水が流れています。地域の自然特性なので、こればっかりは自分ではどうにもならない条件のひとつです。
自分でも子育てをしていて思うのですが、どこに住んでいても完璧な子育て環境などないんでしょうね。補いたい部分は知恵を絞ればなんとかなるんじゃないでしょうか。でも、地域の自然特性はどうにもならない。だからこそ大事だと思います。
以前に子育てについて書いた記事があるので、そちらも読んでみてください。
http://www.nakatugawa.com/blog/11636.html

 

⚪︎人との距離はじっくりと近づく
田舎の人は人見知りだという話をよく見聞きしますが、私はそうは思いません。初対面でいきなり距離を縮めるということをしないということかなと感じています。人数は限られているし、どうせ長い付き合いになるんです。子育てだって、同じメンバーで10数年付き合っていくし、区であったり、班の付き合いなんて何十年も続きます。急に距離を縮める必要なんてないということでしょうか。焦らずにゆっくりと付き合いを深めていけるのが田舎のいいところ。人付き合いが苦手な人にもおすすめです。何回か出会ったりしているうちにこちらがビックリするほどに親しそうにしてもらえるということがあるのも田舎あるあるです。

 

⚪︎経済指標ではないものに価値を見出す
私が加子母に住むようになって、価値観違うなぁと思ったこと。それは安心感です。
・各家で味噌や米や野菜などなど、加工品も含めて食べ物が備蓄されている
やっぱり食べものに備蓄があると安心します。田畑も保管できるスペースもあるからでしょうね。
・お互いの事情をよく知っていて融通しあっている
地区の役員一つとっても、お互いの事情を知っているからこそ分担できる。平時にも非常時にも知ってもらってるからこその安心感です。
・自分たちの生活を自分たちでなんとかできる技を持っている
職人さんが多いからか、大体のことは自分たちで何とかしている。祭りの神輿だって作れるし、道路だって直せる。草も刈るし、道路の雪かきだって皆んなでやります。田舎の人には当たり前でも、ちょっと都会だと刈払い機を使ったことない人の方が多いんじゃないでしょうか。自分たちで何とかできるってことは安心です。

 

もちろん、これは私が加子母に移住して思うことです。異論もあるかもしれません。
私も20年前に移住者の気持ちを知りたかったから、一つの体験談として誰かのヒントになればいいなと願ってます。